ここ数年、『ホワイト企業』や『心理的安全性』という言葉が広く知られるようになってきました。*1
そんななか、日経新聞が新たな言葉を広め始めました。『プラチナ企業』です。
「プラチナ企業」とは?
働き方改革の名のもと、ブラック企業からグレー企業(?)、さらにはホワイト企業へと変化した企業も多いと思います。
ところが、働きやすさを働きやすさを追求する「ホワイト企業」の業績が必ずしも良くなるわけではなく、「プラチナ企業」に変化する必要がある、という内容の記事が2024年4月3日の日経新聞の記事に掲載されました。
ここでいう「プラチナ企業」とは、働きやすさと仕事のやりがいの両立を目指し、実現している企業です。
「働き方改革」ではなく、「働きがい改革」
当然と言えば、当然です。
日経新聞の記事がでるまでもなく、
日頃、私が一緒にお仕事をさせて頂いている多くの中小企業経営者は、既に「働き方改革」ではなく、「働きがい改革」へ向けた取組みを実践しています。
過度に成果を追求し、労働時間が長くなり、その結果、コミュニケーションが減少し、助け合えない関係性の質が低下したストレスフルな「ブラック企業」には問題があります。
しかしながら、働きやすさとは何か?何故、働きやすさが必要なのか?
その本質を問うことなく、単に働きやすさを追い求めることで、仕事にやりがいを感じることができなくなります。やりがいを感じることができない仕事はおもしろくもなく、おもしろくもない仕事を継続するのは苦痛以外の何ものでもありません。
やりがいだけを求めれば、「やりがい搾取」につながり、働き手は疲弊し、中長期的な成長は望めません。やりがいを追求することは悪いことではなく、「やりがいを追及しすぎること」が悪いことなのです。
「経営」とは、「統合・両立」
経営とは、そもそも、一見、相反する、矛盾するものごとを統合させる取り組みです。
これを忘れて、働きやすさだけ、仕事へのやりがいだけ、とバランスを欠いてしまえば、結局のところ、成果をあげられず、企業の継続性が損なわれ、雇用の喪失へと繋がる可能性が高まってしまいます。
既に多くの中小企業経営者が、「働き方改革」ではなく、「働きがい改革」へ向けた取組みを実践しています。今回の日経新聞の記事は「プラチナ企業」という表現で、「働きやすさ」だけでなく「やりがい」を肯定的にとらえたことは、多くの中小企業経営者が、これまでの自分たちの取組みを自信をもって継続できるようになると思います。そして、この記事をきっかけとして、大企業のみならず中堅・中小企業も「働きやすさ」と「やりがい」を両立させることができ、統合していくことができると信じる経営者が増えていくことを願っています。
働く人々のモチベーションが高まり、多くの社会に役立つ製品・サービスが生み出され、企業が持続的に成長発展していく。
そんな働きやすくてやりがいを感じられる企業をみなさん目指していきませんか?
そのためのキャリア開発と組織開発のお手伝いを今後も続けていきます。
*1:『ホワイト企業』に比べると『心理的安全性』については、まだまだ誤解が多いように感じています。