理論と実践

知の創造と智慧の実践プロセス

経営理念Case33 株式会社鎌倉新書

【経営理念】

大きい会社でもなく、儲かる会社でもなく、 本当の意味で社会に役立つ「情報加工会社」を目指す

【会社概要】

創業/1984年(昭和59年)
業種/終活関連サービスのポータルサイト運営、就活関連書籍の出版等
資本金/10億3,854万円
従業員数/166名
本社所在地/東京都中央区
代表取締役会長CEO/清水祐孝(2代目)
URL/https://www.kamakura-net.co.jp/

 

 

経営理念

大きい会社でもなく、儲かる会社でもなく、 本当の意味で社会に役立つ「情報加工会社」を目指す

ミッション

私たちは、明るく前向きな社会を実現するため、人々が悔いのない人生を生きるためのお手伝いをします。

ビジョン

終活が当たり前になる、その時だれもが鎌倉新書をイメージ(想起)する。

バリュー(社是)

  1. 売りたいものありきではなく、お客さまのニーズありき。そのために働こう。
  2. 最初の一歩を踏み出してもらうために、お客さまの背中を押せる存在になろう。
  3. 儲かるからやる、儲からないからやらない、ではなく、お客さまの要望・希望にすべて応える。
  4. 目的地にたどり着くためには、利益という燃料が必要。だが燃料は目的ではない。


分析

1.どのように社会に貢献するのか

明るく前向きな社会の実現のため、高齢社会を活性化していく。明るく前向きに生きる高齢者が増えれば、その家族、また次の世代の人たちも明るく前向きに生きることにつながり、みんなの希望になる。高齢社会の中でこの夢を実現することで社会に貢献する。

2.未来のあるべき姿、進むべき方向性

終活をすることが当たり前の社会になり、その時だれもが鎌倉新書をイメージ(想起)する会社になる。

3. 戦略・戦術のヒント

大きい会社でもなく、儲かる会社でもなく、 本当の意味で社会に役立つ「情報加工会社」を目指す。

清水祐孝社長のことば

「寺院を対象にした『宗教と現代』という月刊誌を出していたのです。数千部ほどの雑誌ですが、毎月お寺を取材し、そこの歴史などを紹介して必要な部数を買っていただいていました。」
「確か当時で年間90万人くらいの方がお亡くなりになっていました。マーケットサイズを調べると平均150万円ほど葬儀にお金をかけているそうです。計算すると1兆3,500億円くらいの市場がある。」
「そのとき雑誌のターゲットを仏教関連から供養業界向けにシフトしようと思った。」
「内容も供養関連のものを増やして、誌名も月刊『仏事』に変えました。」
「葬儀社の社長さんたちは月刊『仏事』を買ってくれているけれど、それは紙とインクでできている雑誌が欲しいんじゃなくて、雑誌に書かれている中身が知りたくて買ってくれている。」
「私は、それまで鎌倉新書は出版社だと思い込んでいました。それに縛られていたんです。だけど良く考えたら、自分達が売っているのは情報じゃないかと。出版というのは情報届け方の形に過ぎない。」
「鎌倉新書は、”情報加工会社”だったんです。」
「情報の届け方にこだわることはない。出版業という業態に縛られなければ可能性が広がります。まずセミナーを始めました。コンサルティングという考え方もあります。一つの取材で得た情報を雑誌で売り、セミナーでも売り、コンサルでも売るなど、とても自由になりました。」
「ここでもう一つ変わらなければならないと、供養から「終活」と言われる領域にビジネス範囲を広げました。相続の問題や介護のことも含め、高齢者やそのご家族が直面するあらゆる困り事をトータルにサポートできる会社になろうと動き出した。」

 

事業領域を『終活』にまで広げたことで、高齢者だけの問題ではなく、広く生きる人のニーズに応えようとする会社になりました。

若い人も、明日そのときを迎えるかもしれない。年齢でなく、自分の死を見つめて今を充実させて生きようとするなら、全ての活動が、人生を最大限に充実させるための活動になる。憂いのない人生をお手伝いするために、お金にならないことも必要ならさせて頂く。鎌倉新書の社会貢献へと繋がっています。

強みと10年構想の方向性

強みは、顧客ニーズ発見力、顧客ニーズに合わせた変革力、自社の強みを活かした事業展開力です。

創業期(1984年)は「仏教書の出版」、第1変革期(1990年)は供養系書籍の出版、第2変革期(2000年)は供養系のWebサイトの運用、第3変革期(2019年)は終活インフラの構築と、時代の変化に応じた顧客ニーズを発見し、発見した顧客にニーズにあわせて会社を変革し、自社の強みを活かした事業を展開する。その結果、倒産寸前の会社を東証1部上場会社(2017年)にまで成長させました。

仏教から、葬儀という死に向き合い、供養という生と死に向き合い、そして、就活という生に向き合う事業へと業容を変革してきました。

10年構想の方向性は、①終活事業の拡大、②仏教をベースとした生きることへの新たな価値の提案です。

理念と経営 2021年 05 月号 [雑誌]より