理論と実践

知の創造と智慧の実践プロセス

経営理念Case30 株式会社デグナー

【経営理念】

「愛と感動の創造」

【会社概要】

創業/1987年(昭和62年)
業種/革つなぎの製造修理、バイク用グッズの製造販売
資本金/1,000万円
従業員数/54名
本社所在地/京都府京都市
代表取締役社長/世古口亨(初代・1987年就任)
URL/https://www.degner.co.jp/

 

 

経営理念

「愛と感動の創造」 

ミッション

私たちはお客様に愛と感動を与え続ける為、お客様と密着し、常に新しいものを創り出し、自らを磨き続けながら社会に貢献します。

バリュー(社訓)

一、顧客感動
お客様の心の声を聞き、顧客満足を超えた感動を与え続けます。
一、技術開発
優れた製品を生産します。
一、学習・向上
完成を磨き、常に学び向上します。
一、社会貢献
感謝と援助の心を持ち、世界人として社会に貢献します。


分析

1.どのように社会に貢献するのか

新しい革つなぎ(レーシングスーツ)の製造と修理サービス、バイク関連グッズの製造販売を行い、バイクを単なる移動手段から人の心を豊かにする特別のものに変え、お客様に「愛と感動」を与え続けることで、社会に貢献しようとしています。

バイクへの愛(想い)の深さが分かる経営理念です。

2.未来のあるべき姿、進むべき方向性

他の会社がやらないこと、やりたがらないこと、やりにくいことが何かを考える。そして、お客様の心の声を聞き、新しい製品やサービスを開発していきます。そうすることで、お客様に顧客満足を超えた感動を与え続けることができる。お客様のバイクライフに感動を与えることで、お客様の心が豊かになる。目指すべき方向性は明確です。

3. 戦略・戦術のヒント

「革つなぎ(レーシングスーツ)やバイク用革グッズ」を使う場所として、サーキットレースやミニバイクレースといったイベントを開催しています。直接の販売促進効果は得にくくなってきたとしても、お客様との接点を増やすことで、認知度を高め、ブランド価値を向上させており、お客様に愛と感動を与え続けるためといった経営理念等が具体的な行動のヒントになっています。

世古口亨社長のことば

「修理の依頼を大手のメーカーは受けたがりません。修理は非常に手間のかかる仕事だから。」
「種類が多く、メーカーによって作り方も違うし、ダメージの状態も人それぞれだ。修繕方法を考えるだけで時間がかかってしまい、その上熟練の技術も要る。手間と時間がかかりすぎてとても追いつかない。修理には1~2か月かかってしまう。」
「私たちはそこをチャンスとばかりに、あえて修理サービスに力を入れ、1週間で仕上げられるようにした」
「人生逆を歩けばライバルなし」
「同じことをやっていたら、そのうち価格競争に巻き込まれてしまうのは目に見えている。そうではなく、他の会社がやらないこと、やりたがらないこと、やりにくいことに目を向ければ争わなくて済む。」
「私たちは安定しないという点を”革製品ならではの味わい”と位置づけて、革にこだわりを続けてきました。それが今では他社にはない強みに繋がった。」
「私たちが携わっている製品は世界中にあるので、常に海外に出るようにしてアンテナを張り巡らしています。」
「国内ばかりに目を向けていては、お客様の潜在的なニーズを掴むことはできません。」
「私もバイクを愛する一人の人間として強く思うのは、バイクは単なる移動の手段ではなく、人の心を豊かにするという特別の効果があるだということ。この豊かさというのは何物にも代え難いもの」

ニッチ戦略を徹底しており、中小企業が見習うべき戦略があります。

「安定しない」という一見デメリットに見えることを、「革製品ならではの味わい」と視点を転換して、新たな価値を見いだし、お客様に提供している手法は見事です。

強みと10年構想の方向性

強みは、トップ戦略の徹底力と革製品製造修理技術を備えていることです。

「人生逆を歩けばライバルなし」

頭では分かっていても、徹底的に実践することは容易ではありません。何故なら、手間と時間がかかりすぎることは目に見えており、一歩間違うと低収益なビジネスになるからです。

しかし、他社と同じことをやっていても、いずれ価格競争に巻き込まれてしまいます。そのときは、規模の影響を直接受けてしまい、さらに低収益な厳しい競争に突入してしまいます。

そうではなく、他の会社がやらないこと、やりたがらないこと、やりにくいことに目を向け、そこに活路を見いだせれば、競争せずにすみます。競争がなくなれば、いずれ高収益化も可能となります。

戦略の基本は、「バカな」*1と「なるほど」*2です。

「バカな」と「なるほど」 経営成功の決め手!

「バカな」と「なるほど」 経営成功の決め手!

  • 作者:吉原 英樹
  • 発売日: 2014/10/31
  • メディア: Kindle版
 

 

10年構想の方向性は、①バイク市場における革製品シェアの向上、②革製品の製造修理技術を活用した事業転換(新規事業開発力の強化)です。

理念と経営 2021年 03 月号 [雑誌] より

*1:そんな手間なことをしたら儲かるはずがない。

*2:あっ、そうやって儲けるのか!?