理論と実践

SORA-MON

不安と恐怖について

キャリアのこれから研究所のWebサイトに、21世紀を代表するキャリアの理論家で、ナラティブアプローチ・社会構成的キャリア理論で有名なマーク・サビカス博士のインタビュー動画が掲載されいます。

 

はじめてサビカス博士の声を聞きましたが、穏やかでゆっくりとした語り口が、聞き手に耳を傾けさせる力があると感じました。
傾聴は、基本的には聞き手の姿勢や態度の問題だと思いますが、話し手が聞き手に耳を傾けさせる力という面もあるように思います。
サビカス博士の声や語り口には、そのような力がありますね。 

 

 

1. 不安と恐怖について

インタビュー動画の中で、サビカス博士は、以下のような話をしてくれます。

「不安」と「恐怖」は別のものです。

「恐怖」とは何が起きるかを理解していて、何が原因なのかもわかっている状態。

一方、不安とは、将来何かが起きるとわかっているのに、起きることの内容が全くわからない状態。

対象が不明で漠然としているため、当人のあらゆる行動に影響を及ぼします。

そのため、「不安」は、恐怖より悪い状態だと言います。

2. 不安を言語化し、恐怖に変える

不安と言うのは未来に対する言葉や概念、理解がない状態です。 

支援者がクライアントに共感し、積極的な傾聴を行うことにより、クライアントは不安の正体を突き止め、言語化することができるようになります。

未来におきることが言語化できれば、より上手く対応できるようになります。

サビカス博士は、

言語化することで、誰かに語ることができるようになるだけでも、大きな効果が得られます。

と言います。

そこで、支援者は、不安を言語化できるようにクライアントを支援し、不安の対象を明確にして、不安を恐怖に変えることが重要だとします。何故なら、恐怖には対象があり、対象が明らかになれば、対応・対策を講じることができるからです。

3. 役割の喪失について

サビカス博士は、良い人生の要素として、次の4つの要素を上げます。

  1. 意味のある仕事
  2. 余暇
  3. 家族
  4. 精神性(Spirituality)や信仰

そして、それぞれにおいて、関係性(人間関係)があり、それぞれにおいて役割があり、それらが良い人生の要素であるとします。

もし、新型コロナウイルス感染症の拡大や何らかの理由により、仕事を失うことがあった場合、良い人生を構成する1つ重要な要素、関係性(人間関係)、役割を喪失することになります。

その際に、重要なのは、他の要素、関係性(人間関係)、役割を失わないようにすることだと言います。

仕事を失ったからと言って、他の関係性(人間関係)を失い、そこでの役割を失うことがないように、むしろ、積極的に余暇を楽しみ、家族を大切にし、精神性や信仰のコミュニティに参加することを勧めます。

 詳細は、25分弱のインタビュー動画ですので、是非、サビカス博士のお話を聞いてみてください。きっと元気がでると思います。