理論と実践

知の創造と智慧の実践プロセス

経営理念Case26 株式会社クリスタルインターナショナル

【経営理念】

お客様に最高に幸せな一日を創ることで、永遠の幸せをつかんだお客様を少しずつ増やして、いつの日にか、この国を幸せ溢れる国にすること。
 

【会社概要】

創業/1994年(平成6年)
業種/ブライダル・冠婚葬祭業
資本金/5,000万円
従業員数/600名
本社所在地/東京都港区
代表取締役社長/田村龍也(初代)
URL/http://www.crystalinternational.jp/

 

 

経営理念(戦略アンビション)

お客様に最高に幸せな一日を創ることで、永遠の幸せをつかんだお客様を少しずつ増やして、いつの日にか、この国を幸せ溢れる国にすること

ミッション

お客様に最高に幸せな一日を創る

バリュー(行動基準)

自分で考えて行動するための「行動基準 SCEH」

Safety(安全)

Courtesy(礼儀作法)

Enjoy(楽しさ)

Happiness(幸せ)

-全員が常に、上記の順番で判断している

 

分析

1.どのように社会に貢献するのか

ブライダル事業や冠婚葬祭事業を通じて、戦略アンビションの「お客様に最高に幸せな一日を創ることで、永遠の幸せをつかんだお客様を少しずつ増やして、いつの日にか、この国を幸せ溢れる国にすること。」を実現しようとしており、どのように社会に貢献していくのか明確です。

2.未来のあるべき姿、進むべき方向性

行動基準の「SCEH」により、自分で考えて行動できる社員を増やし、健全な危機感を持ち、総力戦が展開できるボトムアップ型の組織を目指す。

経営理念等に基づいて、未来のあるべき姿(ビジョン)へ向けて変革を進めています。

3. 戦略・戦術のヒント

「お客様に最高に幸せな一日を創る」というミッションは、コンセプトウェディング*1を強みとし、さらにコロナ禍においては、質の高いオンラインウェディングを提供し、平日の空いた式場を使って新たにカフェ事業を開始するなど、環境の変化に応じたサービスを提供するための戦略・戦術の起点となっています。

田村龍也社長のことば

「自分の頭で考えて発案すると、情熱がまったく違ってきます」
「かつて、結婚式場は業界はハード面で勝負が決まりました。いい立地にいい式場をもっている会社が絶対的に有利だったのです。ところが、インターネットが普及して価値観が多様化すると、むしろソフト面、中身の勝負になるんですね。集客がバラけるのです。」
「ずっと私のワンマン経営だった弊社が、社員全員が自分の頭で考え、自由に意見をいえる会社に変わる必要があった」
「各式場の支配人らが中心となって会社に関わるすべてのことを話し合う『チェンジ・ハッピー会議』(毎週月曜日)を新たに開始」
「衆知を集めた経営を目指し、どんな若手の新入社員でもアイデアがあればその会議に招き、プレゼンしてもらい、良い案であれば、その場で採用する」
「社内改革のために行ってきたコーチング研修や『1on1』などが、社員の傾聴力向上にも役立ちました。プランナーが新郎新婦の半生・なれそめ・想いを長時間ヒアリングし、その『想い』が参列者、特にご両親にしっかりと伝わるオリジナルウェディングを共に創っていくコンセプトウェディングが弊社の大きな強みになっていった。」
「オンラインウェディングをやると意思決定したのは5月末で、サービス開始は8月でした。その間の約2か月にわたって、クオリティーを上げるための試行錯誤を重ねた。」
「1回やっただけではわからないことがたくさんあるはず。何度もやらないとと駄目だ。」
「披露宴の料理は、クール宅急便でオンライン参加者の自宅に送る。その荷物に、式場との一体感を高めるアイテムも同封するようにした。例えば、『キャンドルリレー』に画面越しで参加するためのキャンドルなどである。」
「オンラインウェディングが一般的になれば、結婚式に「オンラインで参加」という第3の選択肢が生まれ、幅が広がる。」

ホテル事業からスタートしますが、2000年(平成12年)からブライダル事業にシフトします。以来、隅々まで「本物」にこだわった式場づくりと、新郎新婦に寄り添う結婚式で、高い人気を保ってきました。しかしながら、成功体験に囚われず、時代の変化を捉えて、ワンマン経営からの変革を目指します。ボトムアップ型の組織になるための様々な取り組みが功を奏し、社内の変化だけでなく、接客力やサービス力が向上します。さらに、コロナ禍により社内外の変革が良い方向に進んだ好例です。

強みと10年構想の方向性

強みは、変革力と現場力です。

目利き力のあるオーナー企業にもかかわらず、時代の変化に合わせた社内改革が必要と判断し、上意下達の社風からボトムアップ型の社風へと変革した田村社長の力量と変化を遂げた社員は素晴らしいです。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う急激な環境変化に対応できる力が組織についていたこと、さらにボトムアップ型の対応を重ねていくうちに、個人と組織の両方が健全な危機感を持ち、さらに組織力が増したように思います。真実の瞬間があるサービス業においては、権限委譲による組織力強化はとても重要な強みです。

 

10年構想の方向性は、①事業の多角化新業態開発力の強化、②新業態の海外展開です。

 

理念と経営 2021年 01 月号 [雑誌]より

*1:プランナーが新郎新婦の半生・なれそめ・想いを長時間ヒアリングし、その『想い』が参列者、特にご両親にしっかりと伝わるオリジナルウェディングを共に創っていくウェディング