【経営理念】
世界を変える Teba & Peace
【会社概要】
創業/1981年(昭和56年)
業種/外食・レストラン・フードサービス
資本金/4,900万円
従業員数/正社員170名、アルバイト1300名
本社所在地/愛知県名古屋市
代表取締役社長/山本久美(2代目。2016年就任)
URL/https://www.yamachan.co.jp/
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経営理念
世界を変える Teba & Peace
ミッション
私たちは、一本の手羽先からひとりでも多くの人を笑顔にし、幸せにすることで世界を変えていきます。
*ひとりでも多くの人(関わるすべての人々:お客様、お取引様、スタッフ等)
ビジョン(我が社が目指すところ)
立派な変人たれ
立派な人間になる
私たちは、仕事を通じてお客様・お取引先様・上司・部下と接することで人格を磨き、魅力ある立派な人間になる事を目的とします。立派になろうという決意をし、日々工夫、改善、学びを積み重ね、人間としての成長を目指します。
明るく元気にちょっと変
私たちの目指す「変」という言葉には、「ユニークで面白い事」「変化していく事」の2つがあります。どうすればお客様に満足して頂けるのか、もっともっと楽しんで頂けるのか、誠心誠意のサービスと活気あふれる笑顔で、明るく元気にちょっと変を追及します。
分析
1.どのように社会に貢献するか明確であること
事業単位ではなく、一つの商品である一本の手羽先からひとりでも多くの人を笑顔にし、幸せにすることで世界を変えようとしており、手羽先への情熱が伝わってきます。「Teba & Peace」からは、手羽先と平和のある世界にしようという想いが伝わり、どのような世界に変えるのか、どう社会に貢献していくのかのイメージが湧きます。
2.未来のあるべき姿、進むべき方向性を示していること
「立派な変人」には、①ユニークで面白いこと、②自分たち自身が変わる、変化していくことの2つの意味があり、どうすればお客様に満足して頂けるのか、もっともっと楽しんで頂けるのかを考え、自分たち自身が変わること、誠心誠意のサービスと活気あふれる笑顔で「明るく元気にちょっと変」を追及していく未来のあるべき姿(ビジョン)が示されています。
3. 戦略・戦術のヒントが見えてくること
「世界を変える」という経営理念から、これまで積極的な海外展開を行ってきました。また、「②自分たち自身が変わる、変化していくこと」というビジョンから、業態が30~50代のサラリーマンという顧客層の「山ちゃん」しかないというのは非常にリスクが高いと考え、「一番軒+世界の山ちゃん」、飲茶バル「世界のやむちゃん」、「ひもの亭とと」、託児所つき「山ちゃん」など新しい業態を模索し、実現しようとしています。
山本久美社長のことば
「2016年(平成28年)8月、創業者の山本重雄が急逝した。解離性大動脈瘤だった。その直後、まだパニックの中にいた妻の久美さんは、創業からの取引先に「社長になるのはあなたしかいないよ」と言われた。」
「会社を継ぐ決意をしたのは、夫の死から10日後だった」
「M&Aをしたり、外から社長を呼んできたりすれば会長が築いてきて”山ちゃんの世界観”というか、社風が失われてしまう。『てばさ記』を作りながら、私も知らず知らず会社や店のお客様を愛していた。」
「いい意味で緩いというのか、柔らかい、アットホームな感じでしょうか。社員総会や経営計画発表会、新入社員の入社式でも笑いが起こるんです。どんなときも自然と冗談がでたりするような雰囲気が会社全体にあるんです。」
「とにかく会長(故山本重雄氏)がお客様を喜ばせることが大好きで自らマジックをしたり、ギターを弾いたりしていました。当社の新人研修にはマジックの習得があるくらいです。簡単なマジックですが、リクエストがあれば誰でも披露できます。」
「確か会長がなくなって2週間ほどした頃です。幹部十数人に集まってもらって、こう言いました。『何もわからないけど、一緒に会社を変えていきましょう』」
「もちろん社風は変えません。だけど、カリスマ的だった会長が亡くなった以上はこれまでのようにはやれないので、そこを変えていきましょう、ということです。」
「会社を継いでからの1年目は、『会長のときはこうだった。会長ならこうしていたということは心の中に入れておいて、口にださないようしよう』とよく言いました。会長ではなく、もう自分たちが会社の動かし、変えていかなければいけないんだ、といつも話しました。」
「みんなの気持ちを一つにしようと1年かけてやったのが、会社の理念というか、ミッションの作り直しでした。プロジェクトチームをつくってやりました。お客様のクレームを「天使の声」と言うなど、会長が残した言葉がいろいろあったんです。それを総ざらいして、自分たちは何を目指せばいいのかと議論を重ねました。」
「『立派な変人たれ』という言葉が私たちにとっては一番大きいんじゃないかと、それを社是にしました。あとミッションを『世界を変える-Teba & Peace』にしました。」
山本久美社長は、「ずっと主婦だった」「会社の経営については何分かりませんでした」「自分に社長などできるわけがない」と言っていますが、長年社内報「てばさ記」を創ってくることで、社員や会社のことを深く理解していたからこそ、急な事業承継を行うことができたように思います。
強みと10年構想の方向性
強みは、ブランド力、ボトムアップ型のリーダーシップ力とマネジメント力、チーム力です。
創業者の山本重雄氏がこれまで築いてきた「世界の山ちゃん」のブランド力が一番の強みです。ブランド力と同等かそれ以上に、山本久美社長のボトムアップ型のリーダーシップ力とマネジメント力も強みとなっています。山本久美社長は、子どもころからバスケットボールを続け、ずっとキャプテンを務めてきたこと、大学卒業後は小学校の教員として、ミニバスケットチームを全国大会優勝に導いたことなど、これまでリーダーシップ力やマネジメント力を培ってきました。
ボトムアップ型のリーダーシップ力とマネジメント力を活かして、毎月の店長勉強会や社員勉強会において、どんどん社員たちに発言してもらい、各店の店長には自身の体験談を語ってもらうことで、他店の店長の成功体験や失敗談を共有するなどして、チーム力をあげています。真実の瞬間があるサービス業においては、とても重要な強みです。
10年構想の方向性は、①新業態開発力の強化、②新業態の海外展開です。