理論と実践

SORA-MON

企業事例研究Case2 株式会社宝角合金製作所

【経営理念】

円熟した技術と技能を持ち、英知に富んだ創意と工夫で問題を解決する高機能集団をめざす。

環境保護と安全の問題を先取りし、循環型社会の実現に向け積極的に取り組む。

創造するよろこびを大切にし、モノづくりの技術を高めて、お客様に満足していただける魅力ある商品・サービスを提供する。 会社運営を通して、豊かな人間性と個人の自主性を尊重し、社員とその家族の幸せを目指す。
 

【会社概要】

創業/1929年(昭和4年)
業種/射出成形機部品、ダイカストマシン部品、鉄鋼関連設備部品、半導体製造裝置部品、産業機械部品機械加工、竹粉砕機「Bamboo Mill」製造、銅合金・アルミニューム合金鋳物の鋳造、青銅製美術工芸品製作
資本金/2,000万円
従業員数/46名
本社所在地/兵庫県姫路市
代表取締役社長/寳角勝利(3代目。2003年就任)
URL/http://www.houz.co.jp/

 

 

経営理念

円熟した技術と技能を持ち、英知に富んだ創意と工夫で問題を解決する高機能集団をめざす。

環境保護と安全の問題を先取りし、循環型社会の実現に向け積極的に取り組む。

創造するよろこびを大切にし、モノづくりの技術を高めて、お客様に満足していただける魅力ある商品・サービスを提供する。

会社運営を通して、豊かな人間性と個人の自主性を尊重し、社員とその家族の幸せを目指す。

ミッション

私たちは 創造業であり、感動と驚きを世の中へ創出する会社です。

ビジョン

共に成長して、一生やりがいの持てる会社を共に作っていきましょう。

 

経営戦略/事業戦略

1. 認知度向上の経営戦略

きっかけはリーマンショックで仕事が半分に激減し、時間ができ、なんでもやろうと思っていたときに受けた知り合いの農業法人の相談です。

竹粉砕機により竹を微粉末化し、これを乳酸発酵させると栽培促進効果を持つ土壌改良剤になります。これまで培ってきた金属加工技術を生かして、微細な竹パウダーを作る粉砕機を「Bamboo Mill」を開発。社会問題となっている放置竹林問題への解決策を提供しています。

実際には、竹関連事業はまだ売り上げの1%程度にすぎないが、認知度が向上したことで、既に採用面で大きな効果があった。

2. 高付加価値の新規事業戦略

ほとんどの粉砕機はチップ状に粉砕する。さらに細かいパウダー状にするためには、内部構造の改良が必要でした。改良を重ねていくうちに、金属による切削だけでは限界があると判断します。そこで気体粉砕という技術を利用し、粉砕機の内部で舞った粉同士がぶつけ合い、微粒子レベルの微細化に成功します。まさにトライ&エラーの日々ですが、創業90年におよぶ産業機械のサプライヤーだからこそ内製化を実現します。

寳角勝利社長のことば

 「16年前に父から会社を継いでから、何か付加価値を持った自社商品を作れないか、という思いをずっと持っていたんです」

「竹パウダー販売のためのウェブサイト作り。SEO対策も行い、サイト名は社名ではなく『土づくり研究所』としました。」

「農家や家庭菜園をする人を想定して、『竹』ではなく『土』で検索にかかるようにしたのです」

「無料モニターを募って、ユーザーも増やしていきました」

「(農業関連のメディアにプレスリリースを送り、専門誌の取材を受ける)環境にやさしい有機農業資材、という点に着目された」

「新事業を模索していた土木建築業者、就労支援の場になる障がい者施設などさまざまなところから発注がありました。」

「海外からの問い合わせもあり、タイ、ミャンマー、中国などにも輸出」

「大儲けしようと思っているわけではありません。少しでも社会の力になれたらと思っています。それが何かにつながる。」 

 

新製品開発や新規事業開発の際に、社会問題の解決を意識することは重要です。解決すべき課題としての質が高く、顧客提供価値が高い可能性があるからです。

ただし、そのような市場はレッドオーシャンになる可能性が非常に高いです。

この点、寳角社長は、竹粉砕機の事業化にあたり外部の専門家にマーケットリサーチを依頼します。その結果は、市場のサイズは大きくなく、あまり良い結果ではありませんでした。

だからこそ寳角社長は将来性があると感じ、参入を決意します。何故なら、市場が大きければ、たとえ先行していても、いずれ資本力のある大企業が参入し体力勝負になれば勝ち目はないが、市場が小さく大企業にとって魅力が乏しければ、大企業と直接競合することはないから。

中小企業の事業戦略のお手本のような意思決定です。*1

*1:今後、竹パウダーの工業利用を模索する。生分解性プラスチックなどの工業製品への利用が進めば、使用量が拡大し、売上高が伸びるためです。どのような分野に進出するか慎重な見極めが必要です。あまりに市場が大きすぎると大企業が参入し、回避していた大企業との競争がはじまります。