理論と実践

SORA-MON

経営改善・事業再生①

日本経済を根幹から支える基盤は、中小企業・小規模企業(事業者)です。

中小企業・小規模企業(事業者)が事業継続させ、安定的に成長するためには、経営改善・事業再生支援が不可欠です。

改めて経営改善とは何か?事業再生とは何か?をまとめてみます。

 

 

1. 経営改善と事業再生

広義の経営改善とは、企業で働く人の幸福感を高めるため、組織を活性化し、損益やキャッシュフローを向上させる様々な取組みを行うことです。具体的には、経営課題を把握すること、経営改善施策を立案すること、「事業再生計画書」「経営改善計画書」を策定することなどです。狭義の経営改善は、損益やキャッシュフローを向上させる様々な取組みを行うことです。具体的には、暫定リスクや超長期リスケの計画を立案し、暫定リスケの計画書や超長期リスケの計画書等を策定することです。

次に、事業再生とは、経営改善に加えて、財務構造の見直しを行い事業の継続と金融取引の正常化を図る取り組みを行うことです。具体的には、実抜計画*1や合実計画*2を立案し、実抜計画書や合実計画書を策定することです。

上記を前提に、広義の「経営改善計画書」、「事業再生計画書」、協議の「経営改善計画書」は以下のように整理されます。 

 

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2. 事業再生(詳細)

事業再生とは、窮境状況にある企業(または事業)が、過剰債務や営業キャッシュフローのマイナス等を解消するために、事業内容の見直しや財務構造の見直しを実行することによって、持続的な事業の存続及び成長を可能にするプロセスをいいます。

従って、事業再生の目的は、主に『事業の継続』と『金融取引の正常化』であるといえます。
事業の継続は、仕入、生産、販売・サービスの提供により社会への貢献を継続する活動であり、その活動を支える経営者が引き続き経営を担い、従業員の雇用を確保し、外注先や賃借先との取引を継続すること等も含まれます。


財務的視点からみた場合は、事業損益の黒字化、債務超過解消、過剰債務解消、金融機関との取引正常化等が実現することをいいます。

新たな設備投資や人材の補強等、事業拡大のためには新規の資金調達が必要不可欠です。従って、金融機関等からの新たな借入が可能な状態へ戻ることも含みます。

3. 事業再生計画書と協議の経営改善計画書

「事業再生計画書」は、債務者企業が獲得するフリーキャッシュフローがプラスか、または、短期間でプラスになる見込みがあり、金融機関が求める計画の要件(「実抜計画」や「合実計画」)を満たしている計画書をいいます。

狭義の「経営改善計画書」は、債務者企業が獲得するフリーキャッシュフローがプラスか、または、短期間でプラスになる見込みがあるため、事業の持続可能性は認められますが、金融機関が求める計画の要件(「実抜計画」や「合実計画」)を満たすことができない3年間程度の暫定リスケの計画書や超長期リスケの計画書等をいいます。

狭義の「経営改善計画書」は、債務者企業が経営改善・事業再生するための『羅針盤』として、また、取引金融機関と情報を共有する『コミュニケーションツール』としての役割を担っています。

窮境に陥った債務者企業が、取引金融機関の支援を受けて経営改善・事業再生を実現するためには、債務者企業が「事業再生計画書」または協議の「経営改善計画書」を策定し、取引金融機関の理解を求め、同意を得て進めていくことになります。

*1:実現可能性の高い抜本的な経営再建計画

*2:合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画