理論と実践

SORA-MON

経営理念Case24 三承工業株式会社

【経営理念】

全ての皆さまに

感謝の心で

愛情と思いやりのある

人・物創り
 

【会社概要】

創業/1999年(平成11年)
業種/住宅建築・土木工事
資本金/1,000万円
従業員数/57名(2019年10月現在)
本社所在地/岐阜県岐阜市
代表取締役社長/西岡徹人(3代目・1999年就任)
URL/http://www.sunshow.jp/

 

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経営理念

全ての皆さまに
感謝の心で
愛情と思いやりのある
人・物創り

ミッション

すべての人にマイホームを

ビジョン

家創りをはじめとする様々な事業活動を通して、活気あるまちづくりに貢献し、携わる皆様と共に成長し意識を高めることで、持続可能な未来をつくる人を育てる。

社是(バリュー)

一、誰にも負けない努力をすること。
二、謙虚にしておごらず。
三、毎日の反省(利己の反省および利己の払拭)
四、生きていることに感謝する。(幸せを感じる心は、”足るを知る”心から生まれる)
五、善行、利他業を積む。
六、感性的な悩みをしない。

分析

1.どのように社会に貢献するのか

どのような事業を通じて行うかは明記されていませんが、すべての人にマイホームを提供することを通じて、全ての皆さまに感謝の心で愛情と思いやりのある人・物創りをしていくことで社会に貢献しようとしています。

2.未来のあるべき姿、進むべき方向性

家創りをはじめとする様々な事業活動を通して、活気あるまちづくりに貢献し、携わる皆様と共に成長し意識を高めることで、持続可能な未来をつくる人を育てる。

家創りをはじめとする様々な事業活動を通して、「活気あるまちづくりに貢献」「持続可能な未来をつくる人を育てる」というビジョンを実現しようとしています。手段と目的が明確でわかりやすいビジョンです。

3. 戦略・戦術のヒント

相場の半値以下の住宅価格を実現し、また、外国籍専門の住宅営業拠点を設立し、販売するなど、「すべての人にマイホームを」というミッションから、戦略・戦術のヒントがみえてきます。

外国人のお客様に向けて、近所へのあいさつ回りやごみの出し方といった、生活するうえでのマナーから、家計のやりくりや食費のかけかた、保険の見直しなどのアドバイスまで無償で行い、地域社会に溶け込めるように支援する。夢ハウスで住宅を手に入れた外国人の生活を見た他の外国人らが、「私もあの人たちのように生活や人生を変えていきたい」と思うようになり、地域の治安を改善させていくなど、「経済性と社会性の両立」を実現しています。

 

西岡徹人社長のことば

 「『本質的欲求を満たす家づくり』を目指して」
「私自身も一人親家庭で育ったので、そういった人たちが買うことができる住宅が作れないかと考えました」
「<下請から抜け出すためには、どうすればいいのか>『社会の課題をビジネスで解決する』というJC(日本青年会議所)の考え方に可能性を感じた。そういったビジネスモデルをつくることができれば、この状況からきっと抜け出せるはずだと。」
「住宅価格は『2LDKで780万円から』と相場の半値以下に設定した。賃貸住宅よりも支払いを抑えられるようにしたかったからだ。月々3万円、期間は35年。無理のない住宅ローンを想定しはじきだしたのがこの金額だった。」
「事業計画書を作り、西岡さんは、建築関連の全国研修で知り合った地方の工務店に協力を呼び掛けた。『アホか、780万円で家ができるわけないやろ』と一蹴された。」
「だが、それでもめげなかった。資材の共同購入よるコスト削減や、工期の短縮方法、作業に対する人員数の見直しなど、エビデンスに基づく具体的な提案を踏まえ議論を重ねるうちに、賛同者が徐々に増えていった。」
「私が住宅建築についての素人だったからできたのでしょうね。生半可に知っていれば、こんな金額でやろうなどとは思いもしないかったはず。あとはどうやれば実現できるか、すべて逆算して考えていった。」
「<当事者意識を育んだ社内の風土改革>女性スタッフと男性スタッフの妻に加え、OB顧客や協力業者の妻たちにも呼び掛けてチームを結成し、彼女たちの視点で、改革の足を引っ張るマイナス要因を一つずつ変えていった。」
「『残業をやめる』『休暇をとる』『有給休暇を消化する』といった推進活動。そのために例えば「今日は奥さんが家で美味しい料理を作って待っているそうですよ』と伝えたり、子どもに『ノー残業デー』のパネルを持ってアピールしてもらったりして、帰らざるを得ない状況をつくっていくなどした。」
「『カンガルー出勤』を許可。できることから始めるうちに、『この会社は私たちの話を聞いてくれるんだ』という風土と信頼が醸成されていった。」
「商品もサービスも経営も本質が問われている」
「人間が本来持つ本質的欲求にアプローチすることが大事。『安心感』『幸福感』『自己実現』といった、本質的な欲求を満たしながら、社会の課題をあらゆるパートナーと連携して解決し、新たな価値を創造していく。」

 

相場の半値以下の住宅の建築・販売について、西岡社長は、素人だったからできたこと、と言っていますが、素人だったのは建築業界の常識についてであり、これまでプラント、土木工事などで確かな技術・ノウハウを蓄積したきたからこそ、成し遂げられたことです。

強みと10年構想の方向性

強みは、プラント、土木工事関連の技術力(ノウハウを含む)と企画実行力です。

プラント、土木工事関連事業から住宅建築販売事業への進出は、事業への情熱とやり遂げる実行力がなくては成功しなかったでしょう。

本物の企画実行力には、企画内容にワクワクする、共感する、または感動するようなビジョンが必要です。

外国人向け住宅の建築・販売は、「経済性と社会性の両立」という素晴らしいビジョンがあり、そこに至る過程には、人を惹きつけるストーリーがあります。

岐阜県は外国人比率が国内6位と高く、近隣の美濃加茂市においては県内のトップを占める。在留外国人の多くが「1人親家庭以上に家を買うことを諦めている」という現実が浮かび上がってきた。

非正規労働者の割合が高いという経済的な側面に加えて、永住権取得問題や、複雑な住宅ローン契約などいくつもの越えなければならないハードルがあった。

外国人が地域社会に溶け込めるように支援するため、近所へのあいさつ回りやごみの出し方といった、生活するうえでのマナーから、家計のやりくりや食費のかけかた、保険の見直しなどのアドバイスまで無償で行っていった。

夢ハウスで住宅を手に入れた外国人の生活を見た彼らが、「私もあの人たちのように生活や人生を変えていきたい」と思うようになり、地域の治安が改善していった。

 

10年構想の方向性は、①県外進出、②外国人向け住宅建築販売の拡大です。

 

理念と経営 2020年 12 月号より