理論と実践

知の創造と智慧の実践プロセス

本業を変化させるとき①

企業の平均寿命は、約30年と言われています。

東京商工リサーチの調査によると2019年の倒産企業の平均寿命は23.7年、帝国データバンクの調査によると2020年の企業の平均寿命は37.48年であり、それほど実態と乖離した数字ではありません。 

 

中小企業やファミリービジネスおいて30年という年月は、世代交代が必要となりはじめる年月で、事業承継により本業を変化させる絶好のチャンスです。

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2種類の本業転換

本業を変化させることは容易なことではありませんが、事業承継時であれば、時間をかけて計画的に本業を変化させることができます。事業承継時には、様々な理由から借り入れを増やし、新規事業開発に投資するための資金が豊富なときにあるでしょう。

しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大による環境の変化のように、変化が速く、大きい場合に、資金的に厳しい場合もあり、時間をかけて計画的に本業を変化させることはできません。

このような急速で劇的な環境変化が起きたときに、本業を変化させるためには、どのようなことに注意し、どのように変化をさせていくべきなのでしょうか。

平時の本業転換

一般的に、「本業転換」は What(何を)When(いつ) の両方の視点を持って行います。

Whatとは、どの事業を選ぶか?どのような商品・サービスを通じて顧客にどのような価値を提供するかであり、Whenとは、いつ新事業に踏み出すかです。
平時において、より大切なのはWhenです。どのような事業を行うにしても、通常、本業転換には中長期的な投資が必要になります。従って、本業が健全で、キャッシュフローが十分に得られているときに本業転換を行います。

緊急時の本業転換

ところが、緊急時の事業転換においては、基本的に「When(いつ)」を選択することができません。今、まさに事業転換が必要だからです。

本業が健全でキャッシュフローが十分なときに、緊急時に遭遇した場合は、いつ本業を転換するか、ある程度選択できます。

本業が健全ではなく、キャッシュフローが不十分なときに、緊急時に遭遇した場合は、

  1. 補助金や醸成金、借入等により、キャッシュを増やす。
  2. これまでの本業(主力事業)で培った技術やノウハウ等を活かせる分野へ本業を転換し、無関連多角化を避ける。
  3. 環境の変化により何が変わるのか、いち早く変化の本質を理解する。

 の3点が重要となります。

1.は、一時的にキャッシュフローを充実させ、時間を得る方法です。

2.は、短期間で結果を出すため、強みの獲得に時間をかけない、これまで培ってきた自社の強みを活かす方法です。

3.は、 When(いつ)を選択する裁量が少ない以上、What(何を)の選択に磨きをかける方法です。

 

~ つづく ~