理論と実践

知の創造と智慧の実践プロセス

経営理念Case21 株式会社セイバン

【経営理念】

私たちは真心をこめた「愛情品質」を創造することで、世界中の子どもたちとそのご家族の笑顔にあふれた生活を実現します。

 

【会社概要】

創業/1919年(大正8年)
業種/ランドセル、関連グッズ製造・販売
資本金/4,500万円
従業員数/345名(グループ合計)
本社所在地/兵庫県たつの市
代表取締役社長/泉貴章(4代目。2011年就任)
URL/https://www.seiban.co.jp/

 

[:contents]

経営理念・ミッション

私たちは真心をこめた「愛情品質」を創造することで、世界中の子どもたちとそのご家族の笑顔にあふれた生活を実現します。

スローガン

Making quality with love.
子ども想い品質

ビジョン

新しいマーケット、新しいビジネス、全て新しいことにチャレンジし、ランドセルをはじめとする背負えるバックパックで世界一になる。

アクション(バリュー)

「誠意」
 常にお客様の声に耳を傾け、誠実な品質づくりを行います。

「熱意」
 熱い願望を心に抱き、勇猛果敢に挑戦します。

「創意」
 常に創造的な仕事を、常にプロとしての自覚を持って改善します。
「合意」
 志を同じくする仲間との絆を大切にし、一人ひとりの想いと努力を総合力へと結集します。

 

分析

1.どのように社会に貢献するのか

子ども向けのランドセルやバックパックという製品は明記されていませんが、真心をこめた「愛情品質」を創造することにより、世界中の子どもたちとその家族の笑顔あふれる生活を実現しようとしており、事業を通じてどのように社会に貢献するかが明確です。

2.未来のあるべき姿、進むべき方向性

日本国内のランドセル市場だけではく、新しいマーケット、新しいビジネス、全て新しいことにチャレンジして、ランドセルをはじめとする背負えるバックパックで世界一になる。

手段と目的が明確であり、あるべき姿、進むべき方向性が分かり易く示されています。

3. 戦略・戦術のヒント

Making quality with love. 「子ども想い品質」

これらから、「天使のはね」の開発や直営店舗の展開、保育事業への参入など、様々な事業戦略・戦術のヒントが見えてきます。

 

泉貴章社長のことば

「昨日より今日、今日より明日、セイバンはつねにものづくり技術を磨くことにこだわってきた職人魂のある集団です。」
「どんな小さな改善でも、子どもたちにとってプラスになることならとことんやっていこう。そんな社員一人ひとりの想いが、つねに意欲的なセイバンの社風となり、次の話題商品を生む原動力になっているのです。」
「その原点にあるものは、ごくシンプル。子どもは本当に可愛いもの。そんな子どもたちを守り、幸せにしたいという、大人なら誰もが抱く想いに他なりません。」
「セイバンに集い、働く誰もが、同じ想いを抱いているからこそ、前へ進めるのです。」
「私たちは『家族の愛の象徴」を作っている!」

少子化や新型コロナウイルス感染症の拡大への対応という明確な課題があり、これらに対して、中国市場への進出、大人向けのランドセル(バックパック)の海外展開や保育事業への参入など、誠実に品質を守りながら、熱意を持って新しい事業にチャレンジし、未来の顧客づくりのため、様々な新しい取り組みを行っています。

強みと10年構想の方向性

強みは、生産管理力と改善力です。

品質を向上させるためだけでなく、在庫削減のため、ランドセルにリソースを集約することで、工場間のコミュニケーションが良くし、コンサルタントにカイゼン活動を指導してもらい、在庫削減と在庫管理を行い、生産部門の幹部には、他社の工場を見学する研修に参加してもらうなど、生産管理力を高めています。

また、社長就任時に売上を落とすことになりましたが、それをきっかけに成長のための大きな決断をし、成功させています。

売上減少により、問屋が流通在庫を処分をするため、5万円以上するランドセルを1万円以下、時には、10分の1以下の5千円で売るなど、自社のブランド価値が破壊されていた。そこで、1軒1軒、問屋さんをまわり、頭を下げて取引を終了させ、問屋さんの発注で生産するのではなく、自社で価格と在庫をコントロールできるように製造・販売の主導権を取り戻す。その上で、問屋をグループ企業1社にして、直営店を東京の表参道に出店し、その後も出店に力を入れていき、同時に自社のウェブサイトも充実させていくことで、顧客との接点を増やし、顧客の声をダイレクトに拾い、製品開発や接客の工場により、再度、ブランド価値を高めています。


10年構想の方向性は、①新商品開発、②新市場開拓です。

 

『理念と経営 2020年 11 月号』より