情と理のシンセシス

SYNTHESIS OF HUMANITY & THEORY.

創造力の強化書

社会の成熟とともに、時代の変化がより速くなっています。その結果、業界によって差はあるものの一つの事業が収益を上げられる期間は短くなっています。

中小企業においても、新しい収益の柱を創造すること、つまり、顧客の創造は重要な経営課題です。

「顧客創造」というくらいですから、そこには創造力が必要です。

創造力を身につけ、強化するためには、どうしたら良いのでしょうか。 

 

 

イノベーションと創造力

ビジネスにおいて、最も創造力を要求される仕事の一つに、イノベーションを起こすために取り組む研究開発や新規事業開発などがあります。

ここでは、イノベーションを、既存の物事の「新結合」であり、創造的破壊のプロセスであると定義します。*1

その上で、イノベーションを、「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」を創造する行為のことと定義します。*2

 

創造力の強化

イノベーションが、「創造的破壊」のプロセスであり、イノベーションを起こすためには、創造力が必要です。

そして、創造力を強化するために必要なことは、以下の〇点です。

  1. 既存の物事に関する知識、経験、智慧、情報等の収集
  2. 情報のインプット(集積)
  3. 組み合わせの視点(コツ)
  4. アウトプット
  5. 検証

既存の物事に関する知識、経験、智慧、情報等の収集

イノベーションは、既存の物事や知識、経験、智慧といった情報の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」ですので、前提として、既存の物事や知識、経験、智慧といった情報が必要になります。

創造性の強化の大前提は、創造力というセンスや才能ではなく、既存の物事や知識、経験、智慧といった情報収集に向けた地道な努力です。

経験が浅いときこそ、大量の知識をインプットして、新結合等に向けたアウトプットの量が非常に重要になります。
 

情報のインプット(集積)

既存の物事や知識、経験、智慧といった情報収集し、インプットする際に大事なことは、視覚系・聴覚系・運動系という3つの情報入手経路のいずれも活用することです。これにより、脳の特定領域に活動が依存せず、広い領域が活動することで脳が活性化し、アウトプットに向けた創造力が強化されます。

そして、情報収集・集積の過程では、好奇心を持ち、楽しく、ワクワクした気持ちを持ち続けることが大事です。*3
 

組み合わせの視点(コツ)

組み合わせの際に意識したいことは、無いものは何か?ということです。無いものに気がつく能力を身につけることが、とても重要です。

では、どうやって無いものに気がつく能力を身につけるのか?

この点については、まずは十分な情報収集と集積が必要です。これにより既にあるものが何かが分かります。

その上で、以下のような視点を持って、新しい価値を探します。

  1. 今あるものの全てに制約があり、不便さがある思い込む
  2. 効率や便利さという思考の枠を外し、正しく制約と不便さを認識する
  3. 制約や不便さの解消を考えるだけでなく、不便で良かったこと、不便でないとダメなことを考えて、不便であることを活かすことを考える

検証
以上のプロセスを踏んで創造性を強化し、新たな価値を生み出したあかつきには、アウトプットされたものの価値を検証する必要があります。
価値の検証を適切に行い、より質の良いものに高めていく過程は、とても重要です。
ただし、ここで必要となるのは、創造力ではなく、想像力と共感力です。
創造力の強化には、想像力と共感力の強化が不可欠です。

*1:一般的には、「技術革新」と訳され、新しい技術の発明の意味に解されることが多いですが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革や革新を意味します。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを意味する広い概念です。

*2:ヨーゼフ・A・シュンペーターは、イノベーションとして以下の5つの類型を提示しています。
1. 新しい財貨の生産
2. 新しい生産方法の導入
3. 新しい販売先の開拓
4. 原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
5. 新しい組織の実現(独占の形成やその打破)

*3:楽しく、ワクワクした気持ちを持ち続ける方法は、また別の機会にお話したいと思います。