情と理のシンセシス

SYNTHESIS OF HUMANITY & THEORY.

経営理念について③

中小規模の企業にとって、経営理念はとても大事です。

何故、中小規模の企業にとって経営理念が大事なのか?

その理由は、「環境の変化」「働く人々の価値観の変化」「中小規模の企業の最も重要な経営資源」の3つの観点から説明することができます。

今日は、その後編、「働く人々の価値観の変化」「中小規模の企業の最も重要な経営資源」についてです。

 

 

働く人々の価値観の変化

物質的な豊かさが増すにつれて、働くことの意味が生きるためから、より良い人生をおくるために変化してきました。

子どもの頃から自分の生き方を考え、就職活動も自分探しの一環となり、働き始めてからもそこに自分がいる意味、仕事の意味を見いだそうとする時代、よりよく生きるために働く時代になりました。

 

さらに、人口知能(AI)の発達により、事務労働や知的労働の機械への代替が始まっています。工場内で起きた機械化が、ホワイトカラーの仕事でも起きています。

つまり、人は何故仕事をするのか?自分は何故この仕事をするのか?という人生における仕事の意味を問うことに加えて、人にしかできない仕事は何か、自分にしかできない仕事は何か?という新しい問いが加わりました。

 

この問いに、企業が真摯に答えるものが「経営理念」です。

「経営理念」には、「ミッション(使命)」が含まれています。「ミッション(使命)」とは、会社に与えられた重大な務め。責任をもって果たさなければならない任務のことであり、会社がどのような想いから設立され、いまどこにいて、どのような状況となっているか、これからどこをどのように目指すのか?

こうした、過去から現在、そして未来への流れに「意味」を与えるのが、「経営理念」であり、「経営理念」を通じて働く仲間に、今ここにいることの意味を与え、共感を生み出すものが「経営理念」です。

 

良い「経営理念」は、社長や従業員はもちろんのこと、投資家、さらには顧客までもが会社の考えを理解し、共感し、ビジョンの実現に向けて、一緒に動き出させます。

共感を伴った経営を行うことで、人々の心に働きかけ、多くの人々を惹きつけることができるようになります。そして、会社は持続的に発展することができるようになります。

 

中小規模の企業の経営資源

会社の経営資源には、「人」「もの」「お金」「情報」の4つがあります。

大企業や中堅企業に比較して企業規模が相対的に小さい中小企業は、これらの全てが相対的に不足しています。

「お金」があれば、不足する資源を補うこともできますが、そもそも「お金」(資本金等)がないため中小規模の企業なのですから、「お金」以外の経営資源で不足を解消することが必要になります。

会社は組織であり、人の集まりですから、会社には必ず「人」がいます。

「人」により他の不足する資源を補うためには、その会社にあった「優秀な人」を集めることが不可欠です。

 

では、仕事の意味が問われる時代に、より良く生きるために働く人は、どのようにして会社を選ぶのでしょうか?

 

会社の「経営理念」から、「ミッション(使命)」と「ビジョン」を理解し、自分にとって、より良く生きるための仕事ができる会社かどうか?は、より良く生きるために働く人にとって、大事な考慮要素の一つになります。

もちろん、働く個人にとって、良い「経営理念」があったとしても、それが実践されていなければ、その人は辞めてしまうでしょうから、「経営理念」は掲げるだけでなく、実践することが重要なのは言うまでもありません。

より良く生きるために働きたい人が共感する「経営理念」を策定したなら、次は、働き手が離れていかないように、「経営理念」に基づいた経営の実践を継続していくことになります。

 

まとめ

「経営理念」の重要性は、環境の変化、時代の変化、働く人々の価値観の変化から年々高まっています。

そして、大企業や中堅企業に比較して企業規模が相対的に小さい中小企業にとって「経営理念」は、その会社にとって最も重要な「優秀な人」を集めるために必要不可欠な要素です。

 

中小規模の企業の経営者の皆さん、もう一度、「経営理念」について、考えてみませんか。

一人で考えるのはなかなか難しいと思います。本当は、良きパートナーと一緒に行うのが良いのですが、良きパートナーが身近にいなければ、『日本一わかりやすい経営理念のつくり方』『経営理念の考え方・つくり方』を読むことをお勧めします。

 

経営理念の考え方・つくり方

経営理念の考え方・つくり方

  • 作者:坂上 仁志
  • 発売日: 2015/03/12
  • メディア: 単行本