情と理のシンセシス

SYNTHESIS OF HUMANITY & THEORY.

人の責任、組織の責任

起きてしまった問題を個人の責任としてしまう組織よりも、組織の責任として、仕組みで再発防止を考える組織の方が優れていると言われています。

確かに、問題の原因を個人に求め、責任追及をしてしまうと、組織としての成長がとまってしまいますし、責任追及の仕方によっては社員のモチベーションを著しく下げてしまいます。

従って、一般論としては、正しいと思います。

 

しかしながら、組織の責任としつつ、再発防止策の構築と称して、単に管理のためのルールや手続きといった仕組みを作るだけの組織は、年々管理コストが増大し、非効率な組織となります。

 

いわゆる大企業病の典型症状の一つです。

 

何のためのルールであり、手続きであるのか、個々人の目的意識が薄れてしまい、結果的に、管理のためのルールや手続きを守ることができない人がでてきます。

 

このとき、管理職を含む経営層が、自分達は管理の仕組みを作り責任は果たした、ルールや手続きを守れなかった個人が悪いとしてしまうと*1、結局は、問題を個人の責任にしてしまうことになります。

 

だからと言って、組織の問題として、さらにルールや手続きを作るとなると、管理コストの増大は止まらず、他社との競争優位性を保てないほど、非効率な組織になっていきます。

このように仕組みやルール、手続きといった組織のハード面である制度の構築や改善だけが行われ*2、人と人との関係性といった組織のソフト面の構築や改善が疎かになっては組織開発は不十分であり、個人の集合体である組織が良くも強くもなりません。

 

ではどうすべきか?

 

出発点は、組織の責任としつつも、ルールや手続きといった管理のための仕組みづくりばかりを行うのではなく、個人の意識と行動を変容させるための仕組みづくり、すなわち、「人」や「人と人との関係性」に着目した「管理ではなく、対話等を用いた社内文化の構築とその浸透」を行い、最終的に個人の意識と行動の変容を促すことが必要になります。

 

日常的に「対話」が起こる環境を整えていくことで、「対話」を行っていこうという個々人の意識改革と行動変容を起こしていくことが、とても重要になります。

 

このような組織開発の視点を持って、制度づくりやコンプライアンス活動を行っていくことで、生じた問題に対して、本当の意味で組織の責任として対応することができるようになります。

 

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*1:これは、管理職を含む経営層の責任逃れですね。

*2:バブル経済崩壊後の日本企業においては、リストラの名のもとに、組織の構造や制度といった組織のハード面を変えることに傾注しすぎ、人や人と人との関係といった組織のソフト面を疎かにしてしまいました。その結果、いきいきできない職場、働きがいのない職場が増えてしまいました。