情と理のシンセシス

SYNTHESIS OF HUMANITY & THEORY.

理念と経営 2020年8月号

定期購読している『理念と経営 2020年 08 月号』から、経営に役立つアイデアやヒントをご紹介します。


特集 「危機と正面から向き合う」
 危機を好機に変える経営者「三つの力」

 

理念と経営 2020年 08 月号 [雑誌]

理念と経営 2020年 08 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/07/21
  • メディア: 雑誌
 

多摩大学大学院名誉教授の田坂広志さんの危機を好機に変えるために経営者に求められる3つの力です。

  1. 危機の中で不安を感じ、暗い心境になっている社員から、勇気と叡智を引き出す力
  2. 社員の叡智を活かして、いかなるパンデミックにも耐えられる新たな事業モデルへと変革を進める力
  3. 運気を引き寄せる力

この三つの力に共通することは、危機を好機に転じる覚悟であり、その覚悟ができる「人間力」です。

 

新規事業開発のプロジェクトに、突然、深刻な問題が降りかかったとき、

おめでとう!大変なことが起こったな!

こんな修羅場、滅多に体験できないぞ!

状況は極めて厳しいが、まだ勝負は終わっていない。最後まで手を尽くしてみよう。結果は自分が責任を取る。

だが、君たちは、この修羅場の体験で、学べることを、とことん学んで欲しい。その学びをしてくれるならば、すべて吹っ飛んででも、自分に悔いはない!

と腹を据えて部下に語る。

とっさに思い浮かぶ言葉ではないと思います。

部下の人生の時間を大切にしたい、いかなる逆境においても、暗い気持ち、後ろ向きの気持ちにしたくない、この逆境を糧として成長して欲しい、そして、かけがえの無い人生の時間を歩ませたい。

日頃から、このような気持ちや考えをしていないと、危機において、状況を打開する、とっさの一言がでてきません。

 

『運気を磨く ~心を浄化する三つの技法~ 』 

 

道 第8回「道端」

セブンイレブンの創業も、スーパーの進出による商店街の衰退という現実から目を背けず、『大型店と小型店の共存共栄』のモデルを示すため」

セブン銀行の設立も、コンビニには香典袋はあっても、中身を容易するには、銀行のATMまでいかなければ不便さを解消するため」

 

いずれもはじめて聞く話です。

確かに、セブンイレブンは、『大型店と小型店の共存共栄』のモデルの一つだと思いますが、商店街の衰退という現実には影響を与えられなかった気がします。

セブン銀行は、当初の想定顧客と異なり、夜のお店が最大顧客であるという話を聞いたことがあります。理由は、その日に得た売上金を、そのままお店においておくのは物騒なので、帰宅途中で預けるからだそうです。

セブンイレブンでも、事業を開始してみないと、本当の顧客がどこにいるかは分からないのですから、事業は大きくする目標をもちつつ、小さくはじめて大きく育てることが重要ですね。

 

トップインタビュー

東京大学大学院経済研究科教授の柳川範之さん

 

「新しい分野に業態転換をしなければならなくなったとします。そのとき、いままでやってきたことを全て捨てるのではなく、自分たちの強みを新業態にうまく移植していく。チームワークがいいとか、仕入れ先のネットワークが厚いとか、そういう強みをどう生かせるかを考える。あるいは、そうした強みを活かせる分野を見つけて進出するというような判断が大切なのです。」

 

新型コロナウイルス感染症の拡大により、業態転換を迫られている会社は多いと思います。

自分たちの強みを活かす、活かせる市場を見つけるというのは、そのとおりだと思います。ただ、問題は、自分だけで、自分たちだけで、自らの強みを見つける、というのはなかなか難しいといことです。

個人として、組織として、内省力を高める必要がありますね*1

 

巻頭特別企画 「朝の来ない 夜はない」

「変化の兆候はかなり早い段階ではっきり出てきました。まずは高いものが売れなくなってきていました」

「伝統やプライドにあぐらをかくことなく、なりふり構わず生き残るくらいのことをしなければいけないのが、今回の危機だと思います。」

「一つは危機の本質を見抜くこと。そしてもう一つが、社風を変えていくこと」

「革新的な感性が、科学的な分析や実行力よりも重視されていた会社でした。しかし、優れたアイデアがでても、実行されなければ成果には結びつきません。」

「これさえきちんと実行すればうまくいく、というものを作ったんです。その人だからできる、という属人性や感性で対応するのではなく、誰もが仕組みで成果を出せるようにした。しかも、マニュアルは頻繁に更新されるようにしましたから、会社はどんどん変わっていきます。社員の知恵を集め、徹底的に業務の改善を行った」

「お客様の声を一週間ずつまとめ、確認して次の商品開発に活かす。お客様の変化によっても会社が変わり続けられる。そんな文化を作った。」

株式会社良品計画代表取締役会長 松井忠三

 

 

『ゆでがえる』というと、普通は、マイナスのイメージを持つと思いますが、組織変革や人格変容においては、よりベターなやり方だと思います。

人や組織を、いきなり熱湯のなかに入れてしまうと猛烈な反発にあいます。最初は、心地よい温度のぬるま湯にいれ、時間の許す限り徐々にぬるま湯がお湯になり、お湯が熱湯になるような仕組みを作ります。

仕組みを通して、知らず知らずのうちに、人、組織、そして会社が変わっていくことで、数字が改善していく。

創意工夫にあふれた仕組みを皆で創ることができる会社になりたいですね。 

 

指標に「未来」を見る⑧

「過去6回の大統領選挙を調べてみると、再選を果たせなかった大統領が二人います。カーター大統領とブッシュ(父)大統領です。この二人の共通点が、選挙の直近一年間の失業率の上昇なのです。そうした意味ではバイデン氏が有利だと言えるのですが、そう単純にいかないの大統領選挙です。」

「短期的に言えば、トランプ再選は財政にはプラスだが通商政策でマイナス。バイデン氏は通商政策では期待できるが財政では足を引っ張るかもしれない。」

 

世界のマーケットに大きな影響を与えるアメリカ大統領選挙。通常であれば、現職であるトランプ氏が有利と考えられますが、過去6回のデータを分析すると、「失業率の上昇」というバイデン氏にとって有利な分析結果がでてきます。

アメリカ大統領選挙が行われる11月3日の約3か月前となる8月2日時点のアメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、各種世論調査の全米の支持率の平均値はトランプ大統領が42%、民主党のバイデン前副大統領が49.4%と、バイデン氏が7.4ポイントリードしています。

しかしながら、今回は、新型コロナウイルス感染症の拡大という、これまでとは大きく異なる事象が生じています。最後の最後まで行方は分からないように思います。

そして、マーケットに与える影響という観点からは、大統領が共和党のトランプ氏になるか民主党のバイデン氏になるかに加えて、大統領の所属する政党が上院・下院の両院で過半数を取れるかどうかも重要です。

 

マーケティング

お客様を「集める」から、お客様が「集まる」に変える活動。

  1. お客様の「不」(不安、不満、不便、不快、不足など)を解消する。
  2. 気持ち、気分を良くする。
  3. 夢、ビジョンを語る(人を動かす力がある。)。 

 

1.について、徹底的に「不」を書き出してみる、という方法はとても良いですね。ダメなところは比較的目に付きやすく、書き出しやすいものです。ただし、どこから改善するかは、優先順位をつけて、順番に行う必要があります。

2.についても1.と同様に、徹底的にお客様の感情面を良くするものを書き出してみる、というのは良いと思いますが、これは意外と難しいと思います。これが分かれば、1.にリソースを割かずに2.に注力した方が良いです。そのための鍵は、やはり共感力です。

そして、3番目に書かれていますが、まずはじめにすべきは、3.の夢やビジョンを明らかにすることです。3.をはじめにすることで、2.が分かり易くなります。

夢やビジョンを語るストーリーなくして、共感力を高めることは難しいように思います。*2

*1:内省力を高める特別な方法はないように思います。丁寧に、これまでの経験を振り返り、良かったことも悪かったことも拾っていき、そこから得たものを整理し、気づきを深めていく必要があると思います。

*2:ストーリーと共感力については、いずれ別の機会に書いてみたいと思います。