情と理のシンセシス

SYNTHESIS OF HUMANITY & THEORY.

中小企業の法務知財

中小企業の法務部門や知財部門の担当者や役員の方とお話をすると、ほとんがの場合、「本来であれば、〇〇も△△もできていないといけないのですが・・・。」と自社のできていないことを問題があるとしてお話されることがあります。

お酒の入った席で、担当者の方とお話をすると、さらに発言はエスカレートします。

 

要約すると、以下のような感じでしょうか。

「社長は、法律を知らない。」

「契約書を読まずに、法務に丸投げ。」

「契約書の内容を読んでいないので、お客様との約束を本当に守れるのか不安」

「こンプライアンス重視の世の中、きちんと社内の管理体制を充実させるべきだ。」

「法務知財の機能を充実させるため、人も予算も欲しい。」

 

おっしゃることはよく分かります。痛いほど分かると言っても言い過ぎではありません。

 

ただ、一つだけ、頭の片隅で覚えておいて欲しいことがあります。

大企業に比較してリソースの少ない中小企業が、大企業と対等以上に戦うためには、選択と集中を行う、スピード感をもってビジネスを進めることが大切だということです。

 

大企業向けに書かれた法律実務書を読んで、それと同じことをするのが、企業内の法務部門や知財部門の役割だと思っていないでしょうか。

 

本当に、大企業と同じような法務部門や知財部門を持つ方向性が正しいのでしょうか?

本当に、大企業と同じような法務部門や知財部門による確認やチェックが必要なのでしょうか?

大企業と比較してリソースの少ない中小企業の法務部門や知財部門の仕事に『選択と集中』は不要でしょうか?

 

大企業とは異なる手段や方法で、自社にとって本当に必要な法務知財の機能や役割を果たすべきではないでしょうか。

 

成功している企業について研究してみると、戦略、組織、人事、工場マネジメント、マーケティングなど経営の仕方が、一見したところ非常識と思えることが少なくない。

「そんなバカな」と思わずいいたくなる。

ところが、経営者や実務担当者から説明を受けると、理屈が通っており、「なるほど」と納得せざるをえない。

 

上場企業の法務部員や知財部員、弁護士さんや弁理士さんなどの専門家が一見すると、「そんなバカなことして、だから中小企業は・・・。」と言いたくなるような手段や方法を取っているけれども、良く良く話を聞いてみると、「なるほど、経営戦略的な観点からは合理的だね。」と感心されるような中小企業の法務部門、知財部門になりたいですね。

 

 <評価>☆☆☆☆☆

経営戦略や差別化の事例や考え方をはじめて学ぶ法務部門や知財部門などのいわゆる管理部門向けの本として。

「バカな」と「なるほど」

「バカな」と「なるほど」

  • 作者:吉原 英樹
  • 発売日: 2014/08/12
  • メディア: 単行本