理論と実践

知の創造と智慧の実践プロセス

経営理念Case1 銘建工業株式会社

【経営理念】

「木とともに、未来をつくる。 Move forward with wood.」

 

【会社概要】

創業/1923年(大正12年) 老舗建材メーカー
業種/木質構造材の製造(集成材・CLT)、バイオマス事業、木質構造事業
資本金/3,780万円
従業員数/306名(2019年4月)
本社所在地/岡山県真庭市
代表取締役社長/中島浩一郎(3代目(2004年就任)
URL/https://www.meikenkogyo.com/

 

 

経営理念

「木とともに、未来をつくる。 Move forward with wood.」

 

ミッション

木材を大事に使いこなす

 

バリュー

「進取の気性」「もったいない」「地域との共生」

 

分析

1. どのように社会に貢献するか明確であること

ストレートに、木、木材へのこだわり、想いが良く伝わってきます。とても分かり易いです。

木、木材を使ってどんな未来をつくるのかが分かると、より事業への共感が高まると思います。

 

2. 未来のあるべき姿、進むべき方向性を示していること

つくる未来が明記されていないため、未来のあるべき姿、進むべき方向性は具体的ではありませんが、その分、事業領域への制約が少なくなっています。実際に、バイオマス発電といった燃料事業を手掛けています。

また、「進取の気性」「もったいない」「地域との共生」という企業文化は、どのような事業領域に進出するかを判断する際の基準になっています。

 

3. 戦略・戦術のヒントが見えてくること

木、木材を使うこと、それも、「進取の気性」「もったいない」「地域との共生」という価値観を踏まえることで、戦略や戦術のヒントは見えてきます。

たとえば、「進取の気性」と関係しますが、世界を見据えることで、CLT事業*1という今後取り組むべき事業領域を見いだしており、「もったいない」と「地域との共生」からバイオマス発電といった燃料事業を見いだしています。

 

4. 迷ったときの判断基準・行動基準になること

「木とともに、未来をつくる」という「進取の気性」「もったいない」「地域との共生」は、将来の事業領域をどうするか?という経営戦略上の重要課題を解決する際に役立っており、従来からの集成材などの事業領域に加えて、バイオマス発電事業、CLT事業と新規事業領域を生み出しており、迷ったときの判断基準・行動基準になっています。

 

5. インパクトがあり、覚えやすいこと

経営理念、ミッション、バリューともに、短いフレーズでとても覚えやすいです。

「木とともに、未来をつくる」は、どんな未来がつくられていくのか、木に詳しいと様々な未来に想いを馳せることができ、楽しそうです。

玄人好みの経営理念です。

 

中島社長のことば

「世界を見据えたとき、『新しい切り口』が見えた」

「未知の分野に手を出すより、『本業の新しい切り口』を探した方が成功しやすい。」

 

強みと10年構想の方向性

強みは、想いを実現する技術力です。

「日本の森林を宝の山に変える」

とても、いい言葉です。わくわくします。実現する技術力とノウハウがあります。

中小規模の企業でも、いや中小規模の企業だからこそ、世界を見据え、新しい切り口を見いだし、「進取の気性」で実践することが大事です。

Think globally, act locally という言葉がぴったりの企業です。

 

10年構想の方向性は、①CLTのアジア向け輸出、②国内の非住宅需要の喚起です。

 

理念と経営 2020年 01 月号より

理念と経営 2020年 01 月号 [雑誌]

理念と経営 2020年 01 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2019/12/21
  • メディア: 雑誌
 

*1:Cross Laminated Timber

普通の集積材は板の繊維方向を平行に合わせて接着するが、CLTは板の繊維方向をクロス(直交)するように積層接着することで、コンクリート並みの強度を生み出し、しかもコンクリートよりも軽い建材となる。